【紹介】会計の世界史|会計の誕生からこれまでの歩みを知れる良本




こんにちは

経理マンです。

 

普段仕事の中でたくさん関わる会計。しかし、自分を含め多くの経理担当者はその会計の事についてどこまで知っているのでしょうか。

減価償却や管理会計の生まれた要因は?世界発の株式会社とは?

たしかあに仕事をする上で必要ない知識かもしれませんが、それでも一人の経理マンとしてそのルーツを知りたいと思いました。

今回は、そんな会計の歴史について書かれた本「会計の世界史」をご紹介したいと思います。

「会計の世界史」とは?

本書の特徴

その1 ダ・ヴィンチ、レンブラント、スティーブンソン、フォード、ケネディ、エジソン、マッキンゼー、プレスリー、ビートルズ
……意外な「有名人」たちが続々登場!

その2 冒険、成功、対立、陰謀、裏切り、愛情、喜びと悲しみ、栄光と挫折、芸術、発明、起業と買収
……波乱万丈、たくさんの「知られざる物語」が展開します

その3 簿記、決算書、財務会計、管理会計、ファイナンス、IFRS
……物語を楽しく読み進めるだけで、これらの仕組みが驚くほどよくわかります

その4 イラストと写真、ひと目でわかるイメージ図が満載。
会計の本なのに、細かい数字はいっさい出てきません!


「私はこれまで数々のビジネススクールや企業研修で会計分野の講師を務めてきました。
会計を『大局的に・楽しく』学んでもらうのはとても難しい作業ですが、講義で『歴史』をもちいる手法はかなり効果的でした。

会計ルールの誕生エピソードや人物秘話を少々大げさな講談調で語ると、受講者たちが身を乗り出してきます。
本書はそんな経験をもとにしています。

皆さんにも『好奇心とともに会計を理解する』経験をしてもらえれば嬉しいです。」
──「旅のはじめに」より(引用:日本経済新聞出版社

第1部「簿記と会社の誕生」

第1部には中世イタリアで描かれた「トビアスと天使」と「最後の晩餐」、そして近世オランダで描かれた「夜警」の3つの絵画が登場します。これらが描かれた時代に帳簿と会社が登場し、会計の基礎が誕生しました。

 

ほとんどの人がお世話になっている銀行。実は銀行の一番最初の始まりはこの時代でした。当時の商人達には「危険を冒さない者は、大きな儲けを得る事が出来なない」という考え方が常識でした。商人たちは勇気を持ってリスクに挑むのですが、その助けになるべく新しいソリューションを生み出したのが、イタリアのバンコ(銀行)です。

バンコは商人達に向けてキャッシュレスサービスを始めました。キャッシュを持ち歩かなくて済むので、商人達の道中のリスクがかなり低減される事となります。

また、以外にも簿記の基礎が出来たのはこの時でした。

各地にネットワークを広げ手広くビジネスを行っていたバンコですが、融資や回収、為替手形の発行や決済といった取引記録を付ける必要に迫られました。規模が大きくなったからこそ「記録を付ける必要性」が生まれたのです。

 

また、第1部では世界で初めての株式会社についても書かれています。

近世オランダでは商売の為に船を出して貿易を行っていました。しかし、当時の海は非常に危険で5隻出航してもスペインに捕まったり、ポルトガル人に船員が殺されたりと1隻も目的地にたどり着かない事がしばしばありました。

その時オランダはこう考えます。「今のように小さな会社が船を出しては沈みを繰り返しては無駄が多すぎる。もっとカネをかけて安全かつ大砲を備えた強力な船をつくり、スペインとポルトガルをやっつけよう」と。

これを達成するためには大金を集めなくてはいけません。そこで生まれたのがVOCと呼ばれる世界発の株式会社です。

しかしそんなVOCも短命で終わってしまいます、、、

第2部「財務会計の歴史」

第2部にはイギリスの「蒸気機関車」と「蒸気船」、そしてドイツで生まれた「自動車」の3つの発明が登場します。これらの乗り物が登場した時代に資金調達が大規模化し、計算や報告の仕組みが変わりました。

意外にも鉄道会社が財務会計と管理会計の歴史を変えました。

鉄道は世の中を変える画期的な発明でしたがその反面蒸気機関車には致命的な欠点がありました。それは開業までの初期投資があまりにもデカい事です。土地、レール、枕木、車両、駅舎、各種設備などこれらの「固定資産」を全て揃えないと鉄道会社は事業を始められません。その資金調達・運用の方法やノウハウはこれ以降の「財務会計」の歴史に大きく影響を与えます。また、遠隔地に存在する駅や列車の運行ダイヤを管理するノウハウは「管理会計」に受け継がれていきました。

さらに、この鉄道会社は減価償却を一般化させました。

株主から資金を調達したら、現代と一緒で配当を支払う事になります。そこで利益計算の問題が出てきます。冒頭でも説明した通り、鉄道会社は固定資産の初期投資がとても多いです。たとえばこれを家計簿的に処理をしてしまうと、「投資した期は赤字」、反対に「投資の無い期は黒字」。これだといつ株主になったかで不公平が生じます。

これを解決するために生まれたのが「減価償却」です。

「減価償却」を活用する事で、費用の按分が平準化され、この問題を解決する事が出来ました。

第3部「管理会計とファイナンス」

第3部では「ディキシー」「セインツ(聖者の行進)」「イエスタデイ」の3つの名曲が登場します。ものではなくサービスや楽曲がカネを生む時代になって、管理会計やファイナンスの新分野が生まれてきました。

「管理会計」はシカゴで生まれました。1919年、ジェームズ・マッキンゼーによって「管理会計」という名の講座が開講されました。そこでは予算管理が教えられていたようです。予算は会社の製造・販売部門を効率よく管理して、儲けを出す仕組みです。これは当時の経営者にとっては大変魅力的な内容でした。

「コストだけでなく利益を見よ、過去ではなく未来を見よ」

退屈な簿記や小難しい会計に嫌気が差していた人々は、この宣言を大いに歓迎しました。

 

また、第3部ではビートルズとその楽曲の権利についても書かれています。

デビューの少し前にポール・マッカートニーたちは契約書へのサインをします。この契約書の内容が「楽曲の権利を会社に譲渡する」というとんでもない内容。しかし若き日のポールはそんな事も知らずサインしてしまいます。その後、権利を買い戻すチャンスに遭遇するものの、「自分の楽曲に高額を支払って買い戻す事」(コスト)に目が向いているうちに、何とマイケル・ジャクソンにより高値で買われてしまいました

マイケル・ジャクソンは「その権利を多に入れたらどれだけの利益があるか」(リターン)に目を向けていたのです。

この「コストは、それともリターンか」問題の悩ましい状況を打破すべく、「リターン」を重視する新たな分野が登場します。それが企業価値を旗印に掲げるファイナンスです。

あとがき

今回は「会計の世界史」について内容をザックリご紹介させて頂きました。

普段、小難しい会計の分野でも、その歴史について出来るだけ専門用語を使わずに説明している本書。非常に読みやすく、また続きが気になってどんどんページをめくってしまう程面白い作品でした。会計の仕事に携わる人はもちろんですが、そうではない会計の仕事から遠い人にも是非読んで欲しい1冊です。

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